お正月の御膳はどう整える? 基本知識と縁起の良い食べ方

お正月は、普段と少し違うメニューが食卓にならぶ特別感が新年の訪れを実感させてくれます。お正月気分を盛り上げる、祝い膳のことや、お屠蘇(とそ)やお雑煮の「縁起の良い食べ方」をご紹介します。

イラスト:お正月の祝い膳にのるもの「お屠蘇」「祝い肴(数の子、ごまめ、黒豆)」「お雑煮」「水引付きの箸袋+柳箸」

お正月の祝い膳、正式な整え方と意味

御膳は「一人前の料理」を指すこともありますが、本来は、「一人前の食器と食物を載せる台」のことをいいます

近代以前は普段の暮らしでも御膳が使われていましたが、近年ではお正月どころか、冠婚葬祭の食事や会席料理などでたまに見かける程度になってしまったという方が多いのではないでしょうか。

祝い膳は脚付きの塗り膳と器、柳箸が正式

「祝い膳」というのは、お祝いの席で出される、1人分ずつ設えられた食事のことです。お正月のおせち料理も、祝い膳では重箱から取り分けるのではなく、1人分ずつ器に盛って出されます。

正式な祝い膳は脚のついた塗り膳(漆塗りの御膳)に揃いの器で供され、両側が細く整えられた柳箸でいただきます。

柳箸は「神様と一緒にいただく」祝箸

祝い膳は「神様と一緒にいただく」という考え方があり、柳箸の両側が細いのは、片方は自分が食べるため、もう片方は神様が食べるために使うからだといわれています。

お正月の祝い膳で使う箸は新品を用意しましょう。それぞれ自分の名前を書いた水引付きの箸袋におさめ、使ったら洗いつつ、三が日の間は同じ箸を使います。また、祝い膳をいただくときは目上の人から箸をとるのがマナーです。

お屠蘇、祝い肴、その他のおせち、お雑煮の順でいただく

お正月の祝い膳では、まず健康長寿を願う縁起物のお酒「お屠蘇(とそ)」をいただきます。

次に、「祝い肴」と呼ばれる数の子、ごまめ、黒豆(関西ではたたきごぼうになることも)からおせち料理を食べ始め、最後にお雑煮をいただくのが慣例です。

お屠蘇やお雑煮の縁起の良い食べ方

お屠蘇はお酒なら何でもいいわけではない

お屠蘇とは、日本酒やみりんに屠蘇散(とそさん)という漢方の粉薬を溶いたものを指します。

食前酒や乾杯の飲み物のようなイメージからか、日本酒やビールなどに代えられることもあるようですが、本来の「お屠蘇」はお酒なら何でも良いというわけではないため注意が必要です。

縁起の良いいただき方は“年少者から”

食事は目上の方から……というのが慣例ですが、お屠蘇は年少者から年長者の順に飲みます。これには、順に若さを渡していくという意味があるのです。

ただし、その年に厄年を迎える人だけは、年齢にかかわらず最後に飲みます。そうすることで、ほかの皆から厄払いの力を与えてもらえると信じられています。

お雑煮のお餅は「食い上げる」と良い

実は、お雑煮に入れるお餅の数にも意味があります。本来は、元旦から二日、三日とひとつずつお餅の数を増やしていく食べ方が、繁栄する様子に例えられ、縁起が良いとされます。

これまで食べたい分だけお餅を入れていた方は少し意識してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、この食べ方は「食い上げる」といわれます。「おまんまの食い上げ」と言えば、職などを失って生活が立ち行かなくなるという昔ながらの慣用表現ですが、お雑煮においては逆の意味になります。

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